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若者の雇用と奨学金制度の改善に向けてのキックオフ集会

知ろう! 語ろう! 世代を超えて若者支援を!

 今や大学生の二人に一人が奨学金という名のローンを利用し、数百万の借金を抱えて社会に出ていきます。奨学金を「借りざるを得ない」「返したくても返せない」のは、学費の高騰や雇用劣化などによるもので、構造的な問題です。このままでは、貧困の連鎖や、中間層の結婚、出産・子育てにも影響を及ぼし、少子化・人口減を更に加速化しかねません。未来を担う若者を社会全体で支え、持続可能な社会にするためにも、雇用や奨学金制度を改善していくことが必要です。

 このため、労働者福祉中央協議会(中央労福協)は10月より、奨学金制度の改善を求める署名活動などの全国的なキャンペーンを開始し、そのためのキックオフ集会を以下の通り開催しました。

1.日時 10月2日(金) 18:00 ~ 19:45
2.場所 連合会館 2階大会議室
3.主催
〇〇〇労働者福祉中央協議会(中央労福協)
協賛:東京労福協  後援:連合

関連動画をこちらのページでご覧いただけます。

古賀伸明 中央労福協会長、連合会長 主催者挨拶


大内裕和氏 中京大学教授 基調提起「奨学金問題の現状と課題について」


山本幸司 中央労福協副会長 行動提起

主催者挨拶

古賀 伸明  中央労福協会長、連合会長

来賓挨拶

平野 博文  元内閣官房長官、元文部科学大臣、

 民主党ネクスト文部科学大臣

メッセージ紹介

舛添 要一 東京都知事

基調提起①

奨学金問題の現状と課題について

大内 裕和 氏  中京大学国際教養学部教授、

奨学金問題対策全国会議共同代表

基調提起②

子どもの貧困と教育格差の解消に向けて

花井 圭子 連合総合政策局長

応援発言

若者と貧困、若者支援の観点から

湯浅 誠 氏  社会活動家、法政大学教授

リレー報告

奨学金返済当事者

支援者(法律家)より 岩重佳治 弁護士

学校現場から     久世 公孝さん

世代を超えて    退職者連合 菅井義夫 事務局長

行動提起

山本 幸司 中央労福協 副会長

集会アピール

板垣 恒子 電機連合 書記次長

閉会挨拶

須永 謙治 東京労福協 事務局長

奨学金問題改善に向けたアピール

今や大学生の2人に1人が何らかの「奨学金」を利用しています。在学中の学費や生活のために利用し、卒業時には数百万円の借金を背負って社会に出ていく異常な事態です。高卒求人は激減し、大学の学費は高騰し続け、家計収入は減少の一途を辿っている中では、奨学金を「借りざるを得ない」のです。もはや学費は自己負担だけでまかなえない状況と言えます。

わが国の奨学金制度は、そのほとんどが「貸与型奨学金」であり、「有利子奨学金」利用者が全体の3分の2を超えています。OECD加盟国のうち、大学の授業料が有償で「給付型奨学金」がないのは日本のみという、極めて特異な存在です。また、雇用の劣化が急速に進み、不安定雇用や低賃金労働が拡大している今日、奨学金を「返したくても返せない」のは社会的構造の問題なのです。

「貸与型奨学金」の返済に苦しむ若者は、元本の返済のみならず、「利息」や「延滞金」でも重い負担を背負わされており、今や延滞者数は約33万人にも及んでいます。教育を受けるための奨学金が「利息」や「延滞金」で若者を苦しめているのです。家庭の経済状況等で子どもの教育環境が大きく左右される不条理な状況が続けば、結婚や出産にも影響がおよび、格差・貧困の連鎖にとどまらず、少子化・人口減少を加速させかねません。「学び」と引き換えに「奨学金」という名の借金を背負うことで、人生設計を狂わせかねない構造をこのまま放置するわけにはいきません。

私たちは、未来を担う若者のため、持続可能な社会のため、奨学金制度の改善を強く求めます。世代を超え、社会全体で若者を支えるため、この問題に取り組むべきであると訴えます。貸与制から給付制へ本来の奨学金を!貸与制の奨学金は利息・延滞金のないものを!大学等の学費の引き下げや授業料減免の拡充を!これ以上若者を苦しめてはなりません。
今こそ若者の未来のために立ち上がりましょう!借金ではなく、若者が夢と希望を持てる奨学金にするために!

2015年10月2日
労働者福祉中央協議会(中央労福協)
若者の雇用と奨学金制度の改善に向けてのキックオフ集会

アピール(102KB)